聞く瞑想と見る瞑想
引き続き、日常生活でマインドフルネスに過ごすための瞑想をお伝えします。
今回は、「聞く瞑想」と「見る瞑想」です。

聞く瞑想
私たちは、普段から絶え間ない音にさらされています。
美術館など、静かな場所ですら、必ず音があります。
こう言われてみると今、家の中にいる人は、静かだと思っている家の中にも、家電製品が作動している音や、外を走る車の音など、実はいろいろな音があることに気がつくでしょう。
しかし、生活していときは、ほとんどその音を感じていません。
人は自分が聞きたい音だけに集中しているのです。
今回は、日常の「音」に注意を向けてみましょう。
音を聞く瞑想は、聞いているだけで一瞬一瞬に入り込めるので、心を静めるのにとても役立ちます。
音を聞く瞑想を始めよう
心が休まる場所に行きましょう。
家でも良いですが、今やっている作業は中断させ、手を休めます。
では、始めましょう。
周りの「音」に意識を集中させます。
風の音、鳥の声、人が話す声など、いろいろな音が聞こえますか。
一つ一つの音に耳をすませます。
聞こえる音に対し、「気分が良くなる」「気分が悪くなる」「うるさい」などと、評価をしません。
ただ、あるがままの音を聞きます。
聞こえる音すべてを聞いたら、注意の対象を変えてみましょう。
聞こえる音の中から、何か一つ音を選んで、その音に集中します。
遠くの音や、かすかに聞こえる音を聞くときは特に、心を静めて聞かないと集中できないものです。
一日中仕事をして疲れたときや、頭を使いすぎているなと感じたときは、手を休めてこの「聞く瞑想」をしてみてください。
数分でも頭がすっきりして、心も休まります。
見る瞑想
次は、「見る瞑想」について学びましょう。
見る瞑想も、日常のちょっとした時間に取り組むことができるマインドフルネス瞑想です。
見る対象は何でもかまいません。
おすすめは、木です。
全く動かない対象物よりも、風に揺られて少し動きがある木のような対象物のほうが、集中しやすくなります。

見る瞑想を始めよう
対象となる木を見つけたら、そこに意識を集中させます。
目の前にある木を、ありのままに見つめしょう。
その木の高さはどれぐらいですか。
葉っぱはたくさんついていますか。何色でしょうか。
枝の付き方、幹の色などまで、じっくりと見ていきましょう。
葉っぱが風に揺れていますか。
太陽の光が当たっていますか。
木をすみずみまで観察します。
もしも、集中が途切れ、心がさまよいはじめたら、そのことに気がつきましょう。
そして、また木を見ることに集中してください。
この見る瞑想をすることによって、一つのことに集中する力が身につきます。
また、今回は「木」を対象物にしましたが、気がつくことがたくさんあったはずです。
もしも対象にした木が知っている木でしたら、その木の大きさや美しさ、季節によって変わる表情などをさらに感じてみましょう。
自分の周りに木があることが、とてもありがたく思えるようになるはずです。
ぜひ、継続して続けてみましょう。