自分の行動を振り返る
前回は、マインドフルネスになって「親である自分の気持ちと子どもの気持ちに気がつく」ということを学びました。
マインドフルネスな状態ではないとき、人は自分の思考や感情に振り回されています。
その思考や感情、そしてそれからくる行動は、ほとんど無意識のうちにおこなってしまうものですが、
どのような状況のときに、どのような行動をしているでしょうか。
いつも同じことでイライラしたり、子どもを叱ったりしていることに気がつくかもしれません。
子育て中の人は、これまでの行動を振り返ってみましょう。
今回は、親の行動のパターン化について学びます。

無意識のうちに同じ行動をしていることに気づく
子育てをしていると、イライラしたり、子どもをきつく叱ってしまったりということがあります。
よく思い出してみましょう。
怒りがピークに達して子どもを叱ったり、大きな声で怒鳴ってしまうのは、
同じような状況のときではないでしょうか。
例えば、子どもが部屋を片づけないときに、
「何回言ったらわかるの!」ときつく叱ってしまうことが挙げられます。
ある特定の状況(この場合は”子どもが片づけない”)が起こると、決まった反応(この場合は”きつく叱ること”)をしてしまいます。
この場合、どうして親がきつく叱ってしまうかというと、叱ると子どもが片づけるからです。
その結果、親はきつく叱ることが部屋を片づけさせるのに効果的だと思い、いつもこのパターンを繰り返します。
しかし、子どもの視点から見ると、親が叱るから片づけるのであって、
どうして片づけなければいけないのかということがわかっていないため、
問題の根本は解決されていません。
相手によって変わる親の行動
このパターン化した親の行動は、相手(子ども)によって変わります。
上の例で挙げたように、叱れば片づける子は叱ればすみます。
しかし、きつく叱っても聞かない子どもに対してはどうなるでしょうか。
その場合は、片づけなくても何も言わないで放置したり、
エスカレートすると手をあげてしまったりすることもあり得ます。
つまり、
子どもAに対して:「片づけない」→「きつく叱る」
子どもBに対して:「片づけない」→「手をあげる」
といったように、子どもによって行動を変えていることもあります。
兄弟姉妹の子どもを持ち、子どもによって態度が変わってしまっている場合は、その事実にも気がつくことが大切です。

パターン化した行動をやめるのは難しい
行動がパターン化してしまうと、自分の行動を制御するのは難しいです。
それはなぜかというと、その行動自体、ほとんど無意識のうちにおこなっているからです。
子どもがまだ小さいときに、子どもが何かしたとき(状況)にきつく叱る(反応)という行動がパターン化すると、
その子どもが大きくなっても親はずっと同じ行動を繰り返してしまいます。
では、このパターン化してしまった行動をやめるにはどうしたら良いのでしょうか。
それは、マインドフルネスになって、自分がどの状況でどのような行動をしているのか、いつも気がつくことです。
気づくことで、同じような状況になったときに
「いつもならここできつく叱ってしまうな」と思い直し、
次の行動を変えることができるのです。
さらに、自分の行動に気がつくことで、子どもの行いについても考えられ、子どもの気持ちに気づき、共感してあげることも可能になります。
自分の感情に支配されず、自分が感情と行動をコントロールすることができるのです。
マインドフルネスを実践していくことによって、
このように無意識のうちに、自動的に行動してしまうことに気がつくことができます。
次のページでは、「親のためのマインドフルネス」を学んでいきます。
簡単なマインドフルネス瞑想で、「気がつく」ためのトレーニングをしましょう。