自分と子どもの感情に気がつく
マインドフルネスの力で子育てを少しでも楽しく充実したものにしたいと願う人は、ここで一旦、これまでの子育てを振り返ってみましょう。
自分はどんな親であるか知ることで、改善の糸口が見えてくるかもしれません。
そして、自分の気持ちや子どもの気持ちを見つめましょう。

親の性質
親の性質には、大きく分けて二つのタイプがあります。
今子育て中の人は、自分がどちらのタイプにより近いか、当てはめてみても良いでしょう。
子どもを自分の分身と考える親
子どもを自分の分身と勘違いしてしまうタイプの親です。
早期教育として、子どもがまだ小さいうちから習いごとに通わせたりと、教育熱心な人が多いです。
子どもが世間から評価を受けることが、親としての自分の評価につながってしまいます。
そのため、自分が理想とする評価を子どもが得られないと、
自分自身の負担になってしまい、ストレスがたまります。
子どもに関心がない親
子どもに無関心なタイプの親です。
自分はやりたいことがあるのに、子どもの存在がその妨げになっていると考えています。
そのため、子どもと積極的に関わろうとすることはしません。
保育園に預けている場合は、トイレトレーニングや箸の持ち方といった、
家庭で親が見守るなかで取り組んでいくべきことも、
保育園にお任せしたいといったタイプです。

「子どもを自分の分身と考える親」は、
一見してしっかり子育てに向き合っているようですが、
子どもそのものを受け入れているわけではないので、
親も大変だし、親の期待に応えなければならない子どもも大変です。
一方で「子どもに関心がない親」も、
子どもは親からの愛情を感じられずに育ち、
親は自分がやりたいことができないので子育てを負担に感じてしまいます。
この二つのタイプは全く反対のタイプですが、
「子どもそのものを受け入れていない」という点で問題は同じです。
両タイプともそれぞれ、マインドフルネスの状態になることが役に立ちます。
気持ちに気がつく
マインドフルネスで大切なことは「気がつくこと」でした。
それは、子育てにおけるマインドフルネスでも同じことです。
まずは、自分がどう感じているかに気がつきましょう。
子育てをノンストレスでできる親は、ほとんどいないと言っていいいでしょう。いくら自分の子どもとはいえ、人を一から育てなければならないのですから、
それは大変なことで、ストレスを感じるのは仕方がないことです。
さらに、子どもが生まれてから親の手から離れるまでには、長い年月がかかります。
思うように子育てできず、やりたいこともできず、いつ終わるのかも見えない。いったい自分がなんのために生きているのかも、わからなくなってしまいます。
このように多くの親は、「どうしてストレスなのかわからない」まま子育てをしています。自分がつらいのか、みじめなのか、怒りを感じているのか気がついていないのです。「いつもなんとなくイライラしている」でやり過ごしてしまっています。
マインドフルネスを実践して、まずは自分の中にどのような感情があるのか気がつくことが必要なのです。

また、子どもの心や行動に気がつくことも大切です。
子どもは、大人が理解できないような行動を繰り返すものです。
それこそが子どもなのです。
「どうしてこの子はこうなんだろう」「どうして言うことを聞かないの」
「手がかかる」などと、子どもを評価をせずに、ただ理解してあげるだけで良いのです。
子どもはイライラしながら怒られても、何がいけないことなのかわかりません。
まずはありのままの子どもを受け入れて共感してあげることで、子どもは「わかってもらえた」と安心することができます。
マインドフルネスを実践することにより、子どもの気持ちや、非言語的なサインにも気がつきやすくなります。
「どのような親であるのか知ること」、そして、マインドフルネスになり
「自分と子どもの気持ちに気がつくこと」は子育てにおいてとても大切なことです。
次のページでも、子育ておけるマインドフルネスについて引き続き学んでいきましょう。