Lesson1-1 マインドフルネスとは何か?

マインドフルネスとは

世界中の成功者が実践していると言われている「マインドフルネス」。
一度は聞いたことがあり、なんとなく知っているという人もいるのではないでしょうか。

「マインドフルネス」≠「瞑想(めいそう)」

“マインドフルネスとは、すなわち瞑想である”と思われがちですが、実は、マインドフルネスは、瞑想そのものではありません。

マインドフルネスとは、「今ここに自分がいる状態」に心を100%集中させることです。
今、ここで、目や耳、手や足、顔や舌など五感で感じることに意識を向け、自分の感情や思考を観察します。
そして、ありのままを受け入れること、それがマインドフルネスなのです。

「そんなことか・・・。簡単だな」と思う人もいらっしゃるかもしれません。しかし、実はマインドフルネスの状態でいることは、なかなか難しいことなのです。

例えば、朝起きて窓から朝日が見えたとします。
その朝日の温かさ、美しさ、ありがたさを実感する人はほとんどいないでしょう。
朝起きたその瞬間から、昨日の出来事や今日やるべきことで、頭がいっぱいになってはいませんか。

歯を磨いているとき、歯を磨くことに集中していますか。
歯を一本一本丁寧に心をこめて磨く代わりに、別のことを考えていませんか。

外を歩いているとき、歩くことに集中していますか。
顔に当たる空気の温度や、地面を踏む足の感覚を感じていますか。
大抵の人は、目的地やその先で会う人のことを考えながら歩いていることが多いと思います。

このように、人間は普段、今おこなっていることとは別のところに心が行ってしまっていることが多いのです。

この瞬間を生きる

マインドフルネスではない状態がいけないのかというと、単純にそうとは言えません。
しかし、自分がしていることに注意を向けていない状態というのは、
「”今 ” “この瞬間”を十分に満喫できていない」ということになります。

未来のことや過去のことに心を囚われ、実際にさまざまなことを体験している一番大切な「現在」のことを、おろそかにしてしまっているのです。

また、脳は活動を止めません。
睡眠しているときも、いつでも活動をしています。
しかし、脳にもリラックスする時間が必要です。
脳が休息できるのは、今この瞬間に集中しているときだけ。
自分が抱えている問題や後悔、この先の心配ごとで頭がいっぱいの状態では、脳はリラックスできません。

瞑想によってマインドフルネスに

瞑想は、マインドフルネスの状態に自分をもっていくための手段と考えてください。
今この瞬間に、自分に起こっていることに100%集中するための、頭と心のトレーニングなのです。

また現代人は、思考するときについつい頭で考えてしまいます。
何かを決めるとき、損得で考えたり、人にどう見られるかで判断したりすることが多いですよね。
しかし、「自分の心がどう感じるか?」ということには焦点を当てません。

瞑想によって、こうした頭と心のバランスを取ることもできます。

マインドフルネス瞑想では、自分の呼吸に注意を向けます。
鼻から空気が入り、そして空気が出ていくのを、ただ感じます。

最初は難しいかもしれません。

たとえ数分でも、心はどんどん別のところへ移ろいますし、心を現在に戻そうとしても退屈に感じてしまうのです。

それでも、瞑想を毎日続けることによって、いろいろな「気づき」を得ることができます。
瞑想については、この後のLesson3・4で詳しく学びます。

次のセクションでは、マインドフルネスの発祥について学びましょう。