Lesson3-2 マインドフルネス瞑想のポイント1

マインドフルネス瞑想での心がけ

マインドフルネス瞑想は、誰でも・いつでも・どこでもできますが、ただなんとなく取り組むだけではあまり効果を得ることはできません。

しっかり学び、トレーニングの過程を重視しようとする姿勢が大切です。

マインドフルネス瞑想をするときには、自分の思考・行動、そして存在の全てを瞑想に投じ、集中するようにしましょう。

瞑想の基本的なやり方をお伝えする前に、ここではマインドフルネス瞑想で知っておきたいポイントを二回にわたってお伝えします。

1.評価をしない

前のセクションでも少し触れましたが、マインドフルネス瞑想では物事の評価をしません。
評価をしないとは、「これは良い」「これは悪い」と決めないことです。

人は、見えるものや感じること、周囲で起こっているすべてのことに対して評価をくだしてしまいます。
しかし、その評価は自分の意思ではなく機械的におこなわれているため、自分自身でも気がついていません。
評価することが自己を支配している状態だと、心は休まることがありません

自分を内省するトレーニングを始めると、自分がどれほど物事を評価しているか気がつくことでしょう。

マインドフルネス瞑想法をおこなうときには、「評価をしない」という姿勢がとても大切です。
瞑想を始めると、「退屈だな」「私は瞑想が下手だな」と思ってしまうことがあると思います。
これがすでに「評価」なのです。

しかし、評価をしてしまう自分を責める必要はありません。

まずは、「自分はいろんなことに対して評価をしているのだ」と認識することが第一歩なのです

2.初心を大切にする

マインドフルネス瞑想をするときには、初心を保つことを心がけましょう。瞑想を、新鮮な気持ちで体験するのです

マインドフルネス瞑想には、「呼吸法」「歩く瞑想」「食べる瞑想」などさまざまな瞑想方法があります。
瞑想を繰り返していくと、「私はこれを知っている」「これは難しかった」と、これまでの瞑想から得た体験に意識を向けてしまいがちです。

しかし、それでは今おこなっている瞑想に集中できません。

初心で臨めば新たな発見をしたり、これまでとは違った体験ができるかもしれません
ですので、これまでの体験をもとに評価することは避けるように心がけましょう。

この考え方は、日常生活にも直結することです。

例えば、人から噂を聞いたことがある人物に会うとします。あなたは、その人物をどのような目で見ますか?

噂によって得た情報をもとに、思い込みを持ちながらその人に接しますか。
その人は噂通りの人かもしれませんが、実はまったく違う人の可能性もあります。

これまで得た情報を通して見るのではなく、ありのままのその人を見れば、新しい発見があるかもしれません。

瞑想も日常生活も、いつも初心を大切にしていきましょう。

3.受容する

物事を、あるがままに受け入れましょう。
日常の中で物事をあるがままに受け入れるということは、眠いなら「眠い」、忙しいなら「忙しい」と認め、理解することです。

人は、すでに起こっていることについても、認めない、受け入れない場合があります。

例えば誰かの死や病気、自分の体型、失敗してしまったことなどです。
否定ばかりして、その事実を認めないと、そのことに対して多くのエネルギーを使ってしまいます。

マインドフルネス瞑想でも、「受容する」という姿勢で取り組みます

つらい気持ちや悲しい気持ちになっても、その気持ちを否定せず、あるがままに受け入れます。
瞑想のときに感じる体のかゆみや痛みを感じても、否定的な感情を持たずに、そのままにしておきます。

こうしたトレーニングをすることによって、どんなことが起こってもそれに冷静に対応できるように自分自身が成長していくのです。


続いて次のレッスンでも、マインドフルネス瞑想のポイントをお伝えしたいと思います。