マインドフルネス瞑想での心がけ(その2)
引き続き、マインドフルネス瞑想をおこなう上で心がけたいポイントを学びましょう。

4.信じる
自分以外から得た情報を信じるよりも、まずは自分を信じます。
「自分を信じる」とは、自分の直感、感情、判断を信じることです。
日常生活でAかBかどちらかに迷ったとき、人は他人のことを手本にしたり、さまざまな情報を入手して決めようとします。
自分の直感を信じて判断する人は、なかなかいないはずです。
しかし、自分は自分以外の誰かになることはできません。
自分は、より自分らしくなることしかできないのです。
もちろん、本で調べたり、先人の知恵を学ぶことは大切です。
しかし、そうした情報を手に入れても、あくまで判断するのは「自分自身」であることを忘れてはいけません。
マインドフルネス瞑想でも、自分のことを信じる姿勢がとても大切になってきます。
瞑想によってトレーニングを続けることで、自分は自分であることと、それがどのような意味を持つのかを学んでいくのです。
5.手放す
マインドフルネス瞑想では、心が何かにとらわれていたら、それを手放すことを学びます。
心がとらわれていると、瞑想をしていてもそのことが次から次へと思い浮かんできます。
それが楽しいことであっても、つらいことであっても同じようにとらわれてしまいがちです。
そのような状態のときには、一旦手放し、客観的にどのようなことが起こっているのか観察します。
このとき、自分がこの状態を評価していることに気がついたら、「自分は評価している」と認識します。
評価していたことについては、それ以上深く考える必要はありません。
なかなか難しいと感じるかもしれませんが、瞑想の中で、こうしたプロセスを少しずつ体験し習得していけば、手放すことが容易になっていきます。

6.自分≠感情
人は、普段は自分の感情や思考に自己を支配されています。
自分の意思とは関係なく、次から次へとわいてくる感情に流されてしまっている状態です。
この状態はマインドフルネスとは正反対で、「マインドレスネス」の状態であると言えます。
マインドフルネス瞑想では、自分の感情や思考を第三者の立場となって客観的に観察するため、
自分の意思とは裏腹に勝手に流れ込んでくるような思考・感情と距離を置くことができるようになります。
そうすると、どんな思考と感情が流れてこようと、それに支配されることがなくなります。
認識し、気づくことで、執着することなく手放せるようになるのです。
マインドフルネス瞑想では、自分は感情そのものではなく、「自分自身と感情は別のものである」という姿勢でいるように心がけましょう。
7.目標を決めない
何かに取り組むときは、目標を決めるとモチベーションが上がり達成しやすくなります。
しかし、マインドフルネス瞑想に取り組むときは、目標やゴールを設定する必要はありません。
マインドフルネス瞑想を始めるきっかけは、人によりさまざまな理由があると思います。
「イライラしたくない」「集中力を高めたい」「自己肯定感を持ちたい」・・・。
このような目的があって興味を持つ人が多いことと思います。
マインドフルネス瞑想に取り組むときは、一旦、これらの目標は忘れましょう。
マインドフルネスを医療分野に取り入れたジョン・カバットジン博士は、
瞑想の究極のゴールは、「何もしないこと」と、
「自分が自分自身として存在するようになること」だと説いています。
目標を設定して瞑想に取り組むと、「自分はまだ目標達成から遠い存在なんだ」という思いがわいてきてしまい、集中の妨げになってしまいます。
ありのままの自分を受け入れるという意味でも、目標を設定しないで取り組むようにすることが大切です。
このような姿勢が、結果的には自分の目標に近づく一番の近道であるからです。
二回にわたって、マインドフルネス瞑想をおこなうときのポイントや姿勢を学びました。
意外なポイントや今まで考えもしなかった観点もあったのではないでしょうか。
これらのポイントや姿勢は、これから瞑想を行なっていく上で非常に大切なものばかりです。
ぜひ、頭にしっかり入れておくようにしましょう。
次回は瞑想をおこなう回数や時間について学んでいきます。