コラム①

マインドフルネスに失敗したときの対処

すでに実践している人の中には、なかなかマインドフルネスに上手に取り組めないという人もいるのではないでしょうか。

マインドフルネスに失敗してしまったときは、どうしたら良いのでしょうか。実際の実例を見ながら、対処法についてお話しします。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: shutterstock_178645091-1.jpg

瞑想がうまくできない

事例1

ボディー・スキャンに取り組んでいたある女性は、特定の部位になるとそこで止まってしまい、先に進めなくなってしまいました。
そこで医師に相談し、注意のやり方を変えてボディー・スキャンを続けることにしました。
するとある日、小さいころに体験した記憶が蘇ったそうです。
つらい体験だったので、ずっと記憶の中に抑圧されていたのです。
体の不調の原因が心の傷によるものだということがわかり、治療することで症状はよくなっていきました。


この事例のように、瞑想中にうまく取り組めないときは、体からのサインであることがあります。
うまくできないことに執着せずに続けることで、体が伝えてくる本当のメッセージを知ることができる可能性があります。

事例2

体の一部に痛みを抱えるある男性が、ボディー・スキャンをしたときのことです。
ボディー・スキャンを開始してからはしばらくの間、体と一体になった感覚を味わい、痛みがなくなるのを感じていました。
毎回、すばらしい体験をしていたのですが、しばらくすると全く逆のことが起こり始めました。
ボディー・スキャンをすると痛みが増すようになってしまったのです。

その後、最初のころの感覚を取り戻そうと必死に取り組んだのですが、痛みは続きました。
痛みをなくすことに執着してしまったのでしょう。

そこで、彼は最初のころの感覚を取り戻すことに執着するのをやめ、
ボディー・スキャン中に感じる感覚を一つの体験としてすべて受け入れるようにしたそうです。
すると、だんだん痛みが薄れていきました。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: shutterstock_1606560157.jpg

ボディー・スキャンに限らず、どの瞑想であっても、
効果を得るために取り組むとうまくいきません。
執着を手放し、今のままの自分を受け入れてみてください

事例3

ある男性は、座る瞑想を何度か試したがうまくいかなかったそうです。
座る瞑想ではひたすら呼吸に集中しますが、この「呼吸に集中する」というのが自分の中で腑に落ちませんでした。

そこで、歩く瞑想を試すことにしたそうです。
歩く瞑想では、呼吸ではなく足の裏に注意を向けるため、注意を集中しやすかったのです。
また、座る瞑想では途中で足が痛くなり集中力が切れてしまったのが、歩く瞑想だと一定の時間続けることができました。

このように、特定の瞑想が特に自分自身にフィットするということがあります。
最初はいろいろな瞑想方法を試してみて、取り組みやすいものを見つけましょう。

画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: shutterstock_1722464845.jpg

失敗ではない

マインドフルネス瞑想に取り組みはじめてしばらくは、
ある日はとても集中できてうまくいったと思ったら、ある日は雑念ばかりで全然集中できない日があったりと、
不安定なことが続くことを知っておきましょう。

それでも大丈夫です。

また、事例で挙げたボディー・スキャンの体験談のように、途中でうまくいかないと感じることもあります。

しかし、それらすべては失敗ではありません。
うまくいかないのは、体からのメッセージかもしれないと捉えてみましょう。
「自分に瞑想は合わないんだな」と諦めるのではなく、
「今は集中できないんだな」とそのときの自分をありのままに受け入れてあげてください。

マインドフルネス瞑想中に思考と感情に自分が支配され、集中できなくてもがっかりしないでください。

むしろそれは、自分を成長させるチャンスなのです。