Lesson4-2 いろいろなマインドフルネス瞑想法〜ボディー・スキャン1〜

ボディー・スキャン(1)

マインドフルネス瞑想の実践と応用を学んでいますが、今回は「ボディー・スキャン」という瞑想方法について学びます。

全身を部分的に観察していく

人は、多かれ少なかれ、自分の体に不平を抱いているものです。
「自分の体が大好きだ」という人はほとんどいないのではと思います。

「人の目には自分はどのように映っているのか気になる」
「自分もあの人のような体型になりたい」
「もっときれいな肌になりたい」と、
人と比べては劣等感を抱いてしまうのが人の性質なのかもしれません。

しかし、このような体に対する考え方は、体の一面しか見えていないからだと言えます。
私たちの体には、歩いたり、考えたり、食べたり、持ったりといったすばらしい能力が備わっています。
当たり前すぎて、気がついていないだけなのです。

指を怪我したことがありますか? 
普段は何も考えずに使っている指ですが、たった一本怪我をしてしまっただけで、すごく不便になったと気がついた経験はありませんか。
使えなくなってはじめて「この指って、普段こんなに使っていたんだな」と気がつきます。

体の見た目にばかりこだわらずに、体が持つすばらしい能力を見直しましょう。ボディー・スキャンは、体の部位一つ一つに意識を集中する瞑想方法です。

ボディー・スキャンの方法

ボディー・スキャンは、仰向けになっておこないます。
ベッドの上、布団の上、床の上などに横になりましょう。
部屋の温度は、快適に感じる温度に設定してください。
寒ければ毛布などをかけてもかまいません。

覚醒した状態でおこないますので、眠くならない時間帯に取り組みましょう。
目を閉じると眠くなってしまいそうなときは、目を開けておこなってください。

それでは、はじめましょう


呼吸に集中します。

息を吸うとお腹が膨れ、息を吐くとお腹がへこみます。

体が、横になっている場所に触れているのを感じてください。

注意を、どちらかの足のつま先に向けます。

つま先に向けて呼吸をします。

鼻から吸った息が胸、お腹、足のつけ根を通ってつま先に達し、吐く息とともに鼻に戻ってくるイメージです。

そのとき、つま先からくる感覚を感じます。

何も感じなくても大丈夫です。

十分につま先に集中することができたら、

つま先に集中するのをやめ、数回呼吸します。

注意を、次の部位に移します。


同じ要領で、かかと→足の裏→足首→ふくらはぎ→膝…、
そしてもう一方の足に移り、足全体が終わったら、
骨盤→腰→腹部→背中→胸→肩→両手→首→のど→顔→頭の順に、
部位ごとに注意を向けスキャンしていきます。
頭から始めてもかまいません。

部位ごとに集中するのが終わったら、全身で呼吸しましょう。

ボデイー・スキャンが終わったら、自分と体が一体になった感覚を味わいながら、しばらく静かに過ごしてください。
ボディー・スキャンをじっくり一通りおこなうと、人によって差もありますが、おおよそ45分前後かかります。

座る瞑想と同じように、ボディー・スキャン瞑想の途中も、心がさまよい出し、雑念が浮かぶこともあるでしょう。
そのようなときは座る瞑想と同じ要領で、自分の感情や思いに気づき、受け入れ、そしてまた各部位に集中を戻してください。

瞑想初心者にもおすすめ

ボディー・スキャンは仰向けになっておこなうため、座る瞑想よりも取り組みやすい瞑想です。
座る瞑想は瞑想中に体の痛みなどを感じやすく、最初はなかなか集中するのが難しいのですが、
ボディー・スキャンは比較的リラックスしやすく、瞑想に集中しやすいです。

ただし、人によって眠くなってしまう場合もあります。
それはそれで、その状況を受け入れてください。
しかし、「眠くなってしまうから」と諦めずに、日々続けるようにしてください。

次のセクションでは、引き続きボディー・スキャンについて学び、知識を深めていきましょう。