マインドフルネスの効果(1)
前回は、組織がマインドフルネスを導入する理由について学びました。
マインドフルネスには科学的根拠があり、さらにEQを向上させるのにはマインドフルネスによるトレーニングが役立つということを解説してきました。
それでは、組織がマインドフルネスを導入すると、その後具体的にはどのような効果があるのでしょうか。
2セクションにわたって、期待できる効果について学びます。

仕事の効率が上がる
思い出してみましょう。
仕事でも日常でも何か作業をするとき、あなたはどれぐらい集中しておこなえていますか。
仕事とは関係ないことを考えたり、携帯に通知が届くたびに作業を中断したり、
周囲の音に気が散ったりした経験は誰でもありますよね。
これらのどれに対しても反応しなくて済めば、どれほど仕事の効率が上がるかは、容易に想像ができます。
これまでマインドフルネス瞑想を学ぶ上で、いつも基本は同じであることに気がついたはずです。
マインドフルネス瞑想では、姿勢を正して瞑想を始め、ただただ自分の呼吸に集中します。
最初は誰でも雑念がわき呼吸への注意が途切れますが、その度に呼吸に注意を戻すというトレーニングを繰り返します。
このトレーニングにより、集中力が上がるのです。
マインドフルネスを学び始めて瞑想を日課として実践している人は、
集中力が上がったのをすでに実感しているはずです。
マインドフルネス瞑想に取り組むことによって、感情をコントロールできるようになるには一定期間が必要であることをお伝えしましたが、
集中力については比較的短期間に向上することがわかっています。
リーダーシップ能力向上
なんとなく会社に勤め、目的も目標もなくただ与えられたタスクをこなす人がいるとします。
もしもこのような人がグループのリーダーだったらどうでしょうか?
グループから新しい発想やアイデアは生まれず、生産性も高くなるはずがありません。

「自分が何をやりたいか」
「どのようになりたいか」
と自分自身を知ることを「自己認識」と言いますが、
リーダーにはこの自己認識力が欠かせません。
自己認識力があれば、組織内において自分がどのようなことをしていきたいか気づくことができるため、今何をすべきかが明確になります。
個人のモチベーションは、周囲の人にも伝染します。
ですから、目標ややるべきことが明確なリーダーのもとでは、グループの生産性も向上します。
マインドフルネスになることで、自己認識力が高まります。
つまり、自己認識力が高まることでリーダーシップ能力も向上するということなのです。
次のセクションでも引き続き、マインドフルネスの効果について学んでいきましょう。