Lesson5-3 マインドフルネスが組織にもたらす効果2

マインドフルネスの効果(2)

前回のページから引き続き、
マインドフルネスを組織に導入すると、どのような効果をもたらすか? 
ということについて学んでいきましょう。

前回は「仕事の効率が上がる」「リーダーシップ能力が向上する」ということについて解説しました。

今回も引き続き、マインドフルネスの効果について学んでいきましょう。

人間関係を良好にする

あなたは人と会話をするとき、どのような態度で接するでしょうか。
例えば、前置きが長くだらだらと話を続ける上司に対して
「またいつものがはじまった…めんどくさいな」と思い、
上司の話しを聞くふりをしながら別のことを考えている…ということはありませんか。

人は誰しも、自分に対して批判をしたり劣等感を持ったりするものですが、実はそれは他者に対しても同じです。
他者に対しても、いつも何かしら評価や批判をしています。
それは初めて会う人に対しても同様で、第一印象や噂で判断してしまうケースが多いのです

マインドフルネス瞑想は、静かに呼吸をし、自分の思考や感情がわいてきたらそれに気づき、受け入れます。
そのとき、批判や評価はしません。
あるがままの自分をまずは受け入れるということが大切だと、すでに学びましたね。
マインドフルネスを身につけることによって、
いかに自分自身が他者に対しても評価や批判をしているかということに気がつくことでしょう。

目の前にいる相手や、相手が話すことに対して、
評価(その人に対する固定観念や思いこみ)をせずに対応することで、
その人に対する理解が深まり、共感をすることができるようになります。

先ほどの上司の例でも、しっかり聞いてみると自分の学びになるようなことを言ってくれているかもしれません。

少し苦手な上司や同僚を含め、全ての人に対して、日々新しい気持ちで接していると、その人に対する固定観念がなくなり、人間関係もだんだん向上していくと考えられます。

組織全体のパフォーマンスが向上する

マインドフルネス瞑想によるトレーニングで自己認識力が高まると、それを他者にも応用できるようになります。
自己認識力の高いリーダーであれば、部下の状態を見て、
「どんな気持ちなのか」「どのようなことを考えているのだろうか」ということを理解しようと努めることができます。

理解ができれば、部下のために自分ができることに取り組むことができます。
このような上司のもとでは、部下は上司に対して信頼感が高まり、チームワークも良くなります。

また、生産性が高いチームの共通点として、「心理的安全性が高い」ということがわかっています
「心理的安全性が高い」環境とは、例えば、
失敗やミスをしても叱られずに、一緒に改善策を考えてもらえるような環境です。

チームの中には、仕事がすごくできる人もいれば、そうでない人もいるでしょう。
しかし、人ぞれぞれに個性があり、人は誰でも必ず良い部分があるはずです。
批判されることなく、ありのままの自分を受け入れてくれるチームは「心理的安全性が高い」チームだと言えます。

このようなチームでは、部下がいつもでも自由に発言できたり、失敗してもすばやく報告して改善できます。
新しいアイデアも生まれやすく、メンバー全員が主体的に働くことができるのです

「心理的安全性」が高いチームが社内全体に広がれば、組織力も上がると言えるでしょう。

個々人が幸せになる

組織がマインドフルネスを取り入れることで、組織全体に良い効果が生まれることがわかりました。
しかし、その良い効果は、組織内においてだけではありません。

マインドフルネスを実践した人は、プライベートでも多くの気づきを得ることができます。
家庭を持っている人であれば、パートナーや子どもとの関係も良好になっていくことでしょう。
プライベートが充実し、安定していれば、仕事にも集中しやすくなります。
結果的には、それが組織の成長にも繋がり、良い循環が生まれます

全体的な視点で見れば、仕事も家庭もうまくいく人の人生は、とても幸せな人生ではないでしょうか。
マインドフルネスを実践することにより、社員一人一人の人生までもが豊かになるのです。


いかがでしたか。

2ページに渡って、マインドフルネスを取り入れることで生じる組織への効果を解説してきましたが、理解できたでしょうか。
このようにさまざまな良い効果があるため、企業でもマインドフルネスを取り入れるところが急増しているのです。
仕事のパフォーマンスをアップさせるため、また、組織力を向上させるためにも、マインドフルネス瞑想に取り組むようにしましょう。

次のレッスンでは、マインドフルネスを導入して成功した事例として、グーグルのマインドフルネスプログラムをお伝えします。