Lesson7-2 マインドフルネスで自己肯定感を高める1

思考を観察する

Lesson7-1では、「自己肯定感」について学びました。
「自分は自己肯定感が高い方かもしれない」
「自分に自信が持てないのは、自己肯定感が低いからかもしれない」と、
自分自身について気がつくことがありましたか。

それでは、実際に自己肯定感を高めるにはどうしたら良いのか。
具体的な方法をこのページから学んでいきましょう。

ネガティブ思考に気がつく

自己肯定感が低い人は、自分でも気がつかないうちにネガティブ思考になっています。
これまでマインドフルネスについて学び、
「思考」と「感情」が深く関わっていることに気がついたと思いますが、
実は、「感情」は「思考」によって生み出されます

最近、何か楽しいことはありましたか? 
それを思い出してみてください。

今、どんな気分になったでしょうか。

それでは逆に、うまくいかなかったことや失敗してしまったことがあれば、
思い出してください。

今、どんな気分になりましたか。

楽しいことや嬉しいことを考える(思考)と、人は良い気分(感情)になります。
つらいことを考える(思考)と、人は憂鬱な気分(感情)になります。
このように、「思考」することによって「感情」が生まれるのです。

しかし、「いつもポジティブでいよう」と思っても、それはなかなか難しいのです。

なぜかというと、人はネガティブに考えることが基本設定になっているからです
過去に嫌な体験をしたとき、「二度とこんなことは起こってほしくない」と思いますよね。
そして、将来同じことが起こらないようにその体験を何度も思い出し、防衛しているのです。
この防衛が結果的には「ネガティブ思考」なのです。

そして、このネガティブ思考は、自分がそうしようと思っているのではなく、
自動的(無自覚)にそうなってしまっています

こんな時はマインドフルネスの状態になり、「今、この瞬間」に集中することが役に立ちます。
ネガティブな思考になったときに「今この瞬間」に集中していれば、自動的にネガティブなことを考えてしまっていることに気がつくことができるのです。

ネガティブ思考に気がついたら

マインドフルネスの状態になり、自分がネガティブ思考になっていることを自覚できたら、そのネガティブ思考を客観視してみましょう。
つまり、第三者の視点で自分自身を見るのです。
「あ、今この人(自分)はネガティブになっているな」というように。

不思議なことに、他者の視点で見ると、そのネガティブ思考はスッと小さくなります

さらに、遠くから自分の思考に気がつくことにより、
どうしてそのような思考になってしまったのか、新たに発見できることもあります。

例えば、駅で改札を通るときに、前の人が電子マネーにチャージしていなくて止まってしまい、たった少しの時間なのにイラッとした経験は誰にでもあるでしょう。

そんなときに、「あ、今イラッとしたな」とまずは気づきます。
すると、以前自分がチャージし忘れてしまって必要以上に焦ったことを思い出します。
そして、自分がもたもたしてしまったときに必要以上に焦るのは、
改札でもたもたする人を嫌だと思っていたからなんだと分析します。

このように、自分の思考を分析できると「そうだったのか」と納得し、
ストレスを解消(解放)することができます

この例のように、改札でのできごとでイラッとしたことに気がつかないと、
その後も一日中、ネガティブな感情を引きずってしまうこともあるでしょう。
でも、自分がどうしてこんなに嫌な気分なのか、原因は結局わからないままなのです。

ネガティブな思考は無自覚なので、とても気がつきにくいです。
まずは、自分がいかにネガティブなことを一日のうちに考えているかを、自覚することが大切です。


人それぞれ、ネガティブ思考にはパターンがあります。

次のセクションでは、ネガティブ思考のパターンについて解説します。