ネガティブ思考に気がつくには
Lesson7-2では「無自覚にネガティブ思考になっている自分自身に気がつくことが大切」だということを学びました。
しかし、実践してみた人の中には、ネガティブ思考に気がつくのは難しいと思った人もいるかもしれません。
ここでは、自分のネガティブ思考に気がつくのに役立つ方法をご紹介します。

ネガティブになりやすいのはどんなとき?
ネガティブ思考に気がつくには、自分がどんなときにそうなりやすいのか、
自分のクセを知っておくことが役に立ちます。
例えば、「自分の意見が言いたいのに、言えなくてストレス」という経験を持つ人は多いはずです。
これに似たことで、「人の意見に反対したいけれど、反対できない」ということもあります。
このように、自分の意見がはっきり言えないとそれ自体がストレスになりますし、言えなかったことによって生じる災難でさらにストレスになります。
「本当は自分は違う意見なのに…どうして言えないんだろう…」
とネガティブ思考になり、憂鬱な気分を引き起こします。
自分がネガティブになってしまうクセ(パターン)を、考えてみましょう。
ここにもいくつか挙げますので、当てはまるものがあるかもしれません。
1.自分の意見を言えないとき
自分の意見をはっきり言ったり、人の意見に反対するのは、人に嫌われるかもしれないと不安になってしまう。
2.断れないとき
人に嫌われてしまったり、自分が使えない人間だと思われたくないから、人から頼みごとをされると、断りたくても断れずイヤイヤ引き受けてしまう。
断れなかったことによって自分にふりかかる災難が、さらなるストレスとなる。
3.不機嫌な人がいるとき
「あいさつしても返してくれなかった」「上司が朝から機嫌が悪い」
「知り合いを町で見かけたのに無視された」。
人の不機嫌は、自分には関係ないことがほとんどなのに、なぜか「悪いことしたかな?」と不安になってしまう。
4.人の目が気になるとき
何をするにも、人の目が気になる。
例えば、自分がその日に着ている服が「変じゃないかな?」「人に見られていないかな」と不安になってしまう。
5.自分の功績を讃えられないとき
何か良いことをしても、仕事で成果を出しても、謙遜してしまう。
人前で喜んだり、自分を褒めたりできない。
そんなことをしたら人に嫌われると思ってしまう。
6.人に認めてもらいたいとき
SNSにアップしたあと、「いいね」の数やコメントが異常に気になる。
良い職業、ステータスの高いパートナー、自分の見た目など、
世間的に「良い」とされるものがないと、自分は認めてもらえないと思っている。

ネガティブ思考に陥るときのパターンを6つ挙げましたが、自分のパターンを見つけることはできましたか。
自分のクセをを知っておくと、そのパターンが来たときに
「あ、これはいつものネガティブ思考に陥るパターンだ」と気がつくことができます。
気がつきさえすれば、自分の感情がネガティブ思考に引きずられずに済みます。そして、どうしてそれがそんなに気になるのか、新しい自分を発見する鍵にもなります。
「4.人の目が気になる」では、自分の服が変ではないか気になるという例を挙げました。
ある日、不安になっている自分に気がついたとします。
そして、「どうしてそんなに人の目が気になるのか?」と分析します。
すると、「自分の服が気になるのは、いつも人の服を評価しているからだ。だから自分の服が人にも評価されているのではないかと、不安になるんだ」と気がつくことができるかもしれません。
このように、自分がネガティブ思考に陥りやすいパターンを知っておくと、それに気づき、分析がしやすくなります。
今回は、マインドフルネスによる「気づき」の手助けとして、
「自分がネガティブ思考に陥るときはどんなときかを知る」ということを学びました。
次のセクションでも引き続き、マインドフルネスで自己肯定感を高める具体的な方法を学んでいきましょう。
次は「ラベリング」についてです。