Lesson7-4 マインドフルネスで自己肯定感を高める3

ネガティブ思考を言葉にする

Lesson7-3では、「自分がネガティブ思考に陥りやすいパターンを知っておく」ということを学びました。
自分のパターンを認識しておくことで、ネガティブ思考に気づきやすくなったという実感はありますか。

今回は、ネガティブ思考を解消する方法として「ネガティブ思考を言葉に表す」ということを学びましょう。

ラベリング

Lesson4-11で瞑想に集中するコツとして「ラベリング」について学んだことを思い出してください。
ラベリングとは「今、この瞬間」に体験していることを、心の中で言葉に表すことでした

このラベリングを、ネガティブ思考にも応用してみましょう。

例えば、以前何かで失敗してしまったときに
「ああすればよかった、こうすればよかった」と考え始めたことに気がついたら「後悔」とラベリングします。

「あの人はいつも〇〇でいいなあ。私なんて…」と考え始めたことに気がついたら「嫉妬」とラベリングしていきます。
「あの人のせいでこんなことになってしまった」と考え始めたら「うらみ」とラベリングします。

ネガティブ思考になり、
「今、ネガティブになっている」と気がついたときには、
そのネガティブ思考がどんな種類かはっきり認識できていない可能性があります。
自分の中でどんな思考なのかしっかり認識するために、ラベリングするのです。ネガティブ思考を言語化してはっきりさせると、消化しやすくなります。

実況中継

ラベリングから一歩進んで、自分の思考を「実況中継」するのも効果的です。
例えば、急いでいるときに横断歩道を渡ろうとしたら、渡る直前に赤信号になってしまい、イライラしたとします。
その場合は、「急いでいるのに赤信号になってしまってイライラしています」というように。

もう一つ例に挙げると、上司が不機嫌で自分が何かしたのかと不安になったら、「上司が不機嫌で、自分が何かしてしまったか不安になっています」と実況中継します。
第三者の立場から客観的に実況中継することで、ネガティブ思考→ネガティブ感情の悪循環をストップできるのです

より客観的に分析するために

ラベリングや実況中継は、客観的におこなうことがポイントです。

それは、「自分≠思考・感情」であると認識するためです。
自分と「思考・感情」を分けることで、勝手にわきおこってきた思考に、自分が引き込まれずに済みます。

客観性を強化するために効果的なのは、
実況中継の主語を、「彼女」「彼」「この人」などと三人称にし、
自分とは別の人が思考しているのだと思い込むことです

先ほどの上司の不機嫌を例に取ると、
「上司が不機嫌だから、彼女(彼)は自分が何かしてしまったのかと不安になっている」と実況中継するのです。

さらに客観的にするために、文を過去形にするのも効果的です
そうすることで、現在進行形の自分ではないと、よりはっきりと自分と思考を切り離すことができます。

もう一度上司の不機嫌を例に取ると、
「上司が朝から不機嫌でした。彼女(彼)は、自分が何かしてしまったのかと不安になりました」となります。

このように自分の思考と感情を客観的に分析することで、
思考と感情に支配されているのは自分ではなく、別の人(別の自分)であると認識することができます。
そうすることで、ネガティブの種はそれほど大きいものではないと気がつき、
雪が溶けるようにネガティブな思考はなくなっていきます。


自己肯定感が低い人は、まずは自分のネガティブ思考に気がつくことが重要です。
気がつくことができなければ、問題はどこまでも大きくなり、次のネガティブ思考に繋がっていきます
気づくことができれば、そこでネガティブ連鎖はストップするので、大きく発展しません。

Lesson7-2〜7-4まで、3回に渡って「ネガティブ思考」にフォーカスし、
どのように気づき、解消していくかについて学びました。

次回は、自己肯定感を高めるために重要な「自分を愛する」ことについて学びます。