Lesson2-3 マインドフルネスとEQ

EQを高めるためには?

EQの定義や、EQを高めるとどのような効果があるのか学んできました。

EQは、IQとは異なりトレーニングで高めることができますが、このページではどのように高めることができるのか、その方法についてお伝えします。

EQはトレーニングすることができる

社会生活を営む上で欠かせない“EQ”を、鍛えることができる!というのは
多くの人にとって朗報なはずです。

これは、新しい科学分野である「神経の可塑性(かそせい)」という考え方に基づいています。
考えたり、行動したりすることをパターン化して繰り返すことにより、
神経細胞のつながりが作られ、脳の構造を変えることができるという考え方です。

例えば、日常生活や仕事で、イライラしたり怒りがおさまらないことがあるとします。
そうなったときに、カッとなって相手に怒りをぶつけそうになります。しかし、そうなる前に一旦自分の感情を観察します。「自分はイライラしているな」「あと少しで怒りのピークがくるな」と客観視します。そして意識して深呼吸して心を静め、気持ちを落ち着けます。

この思考と行動を繰り返すことにより、脳の構造がだんだん変わっていき、イライラしたりカッとなったりすることが少なくなっていきます。
さらにトレーニングを繰り返すうちに、自分の感情が異常に高まったり、感情に支配されたりすることもなくなり、いつも冷静で落ち着いた人になれるというわけなのです。

自己を客観的に観察する

Lesson2-1で、5つの領域に分類したEQのうちで、もっとも大切な土台は「1.自己の情動を知ること」であることを説明しました。

先ほどの例でも挙げたように、自分の感情が上がったり下がったりするときには、一瞬立ち止まって自分を第三者の立場から客観的に観察することがとても大切です。
そうすることで、自分の感情に支配され「キレる」ことなくすみます。

つまり、自分の情動に対してどう行動するかを、自分自身で考えて決めることができるのです。

自分を客観的に観察する能力は、「マインドフルネス瞑想」で鍛えることができます。毎日続けることで、先ほどの「神経の可塑性」により常にリラックスして落ち着いた状態でいることができるようになります。

可塑性によって脳神経細胞が変わるのは、人によって差はありますが、1〜2ヶ月程度はかかると言われています。つまり自分の感情をコントロールするのは、一朝一夕にはいかないということです。

しかし、「自分をコントロールできずに感情に振り回されてしまう」→「その後におそってくる大きな後悔に苛まれる」ということをいつも繰り返してしまう人は、「マインドフルネス瞑想」を試して見る価値があります。

自分の感情に気づき、それを受け入れるというマインドフルネス瞑想を繰り返すうちに、いつも気持ちがリラックスした状態になり、自分自身が楽になることに、ある日気がつくことでしょう。

次のセクションからは、いよいよマインドフルネス瞑想そのものについて
詳しく学んでいきましょう。