ラベリング
Lesson4では、瞑想の実践や応用について多くのことを学びました。
このレッスンの最後には、さまざまな瞑想で役立つ「ラベリング」という作業について学びましょう。

瞑想に集中するために
Lesson4-4 で、集中するときのコツとして「ラベリング」に触れました。
マインドフルネス瞑想をはじめてから、ほとんどの人は、次から次へと現れては消える自分の雑念に気がついているはずです。
これまでは、雑念やそれに対する自分の感情に気づいたら受け入れ、
そしてまた瞑想に集中するというトレーニングを積んできました。
瞑想実践者の中には、
「自分は雑念が多い方かもしれない」
「雑念ばかりでとても集中できない」と不安になってしまう人がいます。
そこで今回は、「ラベリング」という方法を学びたいと思います。
ラベリングは瞑想だけでなく、日常生活でも役立ちますので、ぜひ取り入れてみましょう。
気づきをラベリングする
感覚に集中するためのラベリング
ラベリングとは、「今、この瞬間」に体験していることを、心の中で言葉に表すことです。
収納ケースに何が入っているかわかるようにラベルを貼ることがありますが、それと同じ要領です。
例えば、すでに学んだ「歩く瞑想」では、右足のときは「右足上げる」「右足下ろす」、
左足のときは「左足上げる」「左足下ろす」と心の中で言葉にします。
呼吸をするときには、「吸う」「吐く」とラベリングします。
瞑想のときにラベリングの作業をすると、雑念がわきおこりにくく、集中しやすくなります。
自分の内面で感じたことに気づいて心の中で言葉にすることによって、
その瞬間に入り込みやすくなるのです。
ラベリングの作業は、なんとなくするのではなく、しっかり「気づいて」「感覚を感じて」から言語化してください。
機械的にラベリングをしてしまっていたら、それは集中力が切れたということですので、それに気がついて再び集中し直しましょう。

雑念をラベリングして消化する
感覚に集中するという目的以外にも、ラベリングをすることができます。
瞑想中に雑念や不快な感覚を感じたら、それにラベリングをしてみましょう。
- 別のことを考えてしまったとき→「雑念」
- 眠くなったとき→「眠気」
- お腹が空いたとき→「空腹」
- 肩が凝ってきたとき→「肩こり」
- 音が聞こえたら「音」
このように、集中を妨げるものをラベリングしていきます。
その感覚を言語化してはっきりすることで、雑念や不快な感覚(痛みやかゆみなど)は消えていきます。
瞑想以外のときでも、日常で何かに集中したいときにもラベリングできます。
例えば、仕事をしているときに集中力が切れ、雑念がわいてきたとします。
そうしたら、その雑念に気がつきましょう。
しっかり認識したら「雑念」とラベリングします。
瞑想に集中できないときや、目の前のことに集中できないときは、
ぜひこのような「ラベリング」に取り組んでみてください。
Lesson4では、瞑想の実践と応用について学びました。
マインドフルネス瞑想を始めたばかりの人は、強い意志を持って、瞑想を続けてみましょう。
さて、これまで学んできたマインドフルネスですが、
近年は多くの企業や組織で取り入れられ、実践されています。
次のセクションからは、「組織におけるマインドフルネス」について学んでいきます。