組織力を上げるためには
組織におけるマインドフルネスの実践について、前回は人間関係を良くするために「マインドフル・リスニング」が効果的であることを学びました。
相手の話すことに全身全霊で耳を傾けることに、新しい発見があった方も多いはずです。
今回は、組織におけるマインドフルネスの実践についての総まとめとして、組織力を上げるためにはどうしたら良いのか学んでいきましょう。

個々人のEQが高まれば、組織全体のEQが上がる
組織におけるマインドフルネスの実践として、
- 基本の瞑想に取り組んで集中力とメタ認知力を高め、
- リーダーの成長として自己認識力の向上と思いやりの心をもち、
- コミュニケーションについて学び、職場の心理的安全性を高める
ということを学んできました。
今回は、マインドフルネスになり自己認識力を高めることで、
EQを向上させることができるという点に注目していきましょう。
組織で働く人が一人一人、マインドフルネスを実践することでEQを向上させることができると、結果的に組織のEQが向上します。
1〜3までは、リーダーの育成を重点的におこなってきましたが、
組織全体のEQを向上させるために、部下の自己認識力の強化もおこなっていきましょう。
企業で働く人なら誰しもビジョンを持ち、それに向かって日々のタスクをこなしていくのが理想ですが、
みんながみんな、自分が本当にやりたいことや、
自分がどうありたいかということを認識しているわけではありません。
そこで、部下の潜在意識を探るべく「書く瞑想」に取り組んでもらいましょう。
「書く瞑想」で部下のモチベーションがどこにあるか知る
Lesson6-2では、主にリーダーシップ向上を目的として書く瞑想に取り組みました。
ここでは、部下の「こういうふうに生きていきたい」「こうありたい」という
本当の価値観や本心を探るために、部下自身に書く瞑想に取り組んでもらいましょう。

書く瞑想のおこない方は、Lesson4-7 で学んだ方法と同じです。
ここでは、テーマを「自分にとって大切なこと」として取り組みましょう。
部下自身、本当の自分に気がついていないことが多いので、
まずは書く瞑想に取り組むことでそれを認識してもらいます。
部下の「こうありたい」という本心がわかったら、この価値観が満たされて嬉しかったことを思い出してもらいます。
リーダーの仕事は、その体験を、チームの方向性と繋げていくことです。
例えば、部下の嬉しかったことが「営業成績が一番だったとき」だったとしたら、
今後は具体的にどのように営業先を拡大して、
成績をどのぐらいまで伸ばしていくかということを、一緒に計画していくのです。
「こうありたい」という自分を認識し、そして組織の中で実際にそうあることができるようになると、
部下の仕事に対するモチベーションはどんどん上がっていくでしょう。
このように、部下の「こうありたい」をチームの方向性、そして組織の方向性と合わせることで、
グループ全体、さらには組織全体の生産性を高めることができるのです。
4回にわたって、組織におけるマインドフルネスの実践について学んできました。
マインドフルネスを実践することにより、自己認識力を高め、個人がどう生きたいかを知ることが鍵であることがわかりました。
まずはリーダーがマインドフルネスを実践して自己成長を目指し、それを部下にも実践させて成長させることが必要になります。
そうすることで良い人材が育ち、ミスマッチによる離職率も減り、組織全体が向上していくでしょう。
次のLesson7からは、「自己肯定感を上げるためのマインドフルネス」について学んでいきます。